雨模様、ソメイヨシノの桜並木もほとんど散った、上野恩賜公園。東叡山 清水観音堂の裏手に、樹の側に碑と古井戸を備えた、見事なしだれ桜があります。「秋色桜[しゅうしきざくら]」という名を戴いた桜です。
秋色桜


秋色桜[しゅうしきざくら]

 上野は、江戸のはじめから桜の名所として知られていた。数多くの桜樹の中には、固有の名を付せられた樹も何本かあり、その代表的なものが、この「秋色桜」である。

 井戸ばたの
   桜あぶなし
    酒の酔

 この句は元禄の頃、日本橋小網町の菓子屋の娘お秋が、花見客で賑わう井戸端の様子を詠んだものである。桜の枝に結ばれたこの句は、輪王寺宮に賞せられ、一躍江戸中の大評判となった。お秋は当時 13歳だったと伝えられている。俳号を菊后秋色と号した。以来この桜は「秋色桜」と呼ばれている。ただし、当時の井戸は擂鉢山の所ともいい正確な位置については定かではない。
 お秋は、9歳で宝井其角の門に入り、其角没後はその点印を預かる程の才媛であった。享保 10年(1725)没と伝えられる。
 碑は昭和 15年(1940)10月、聴鴬荘主人により建てられた。現在の桜は、昭和 53年(1978)に植え接いだもので、およそ 9代目にあたると想像される。

 平成 8年 7月     台東区教育委員会

トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: 秋色桜

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.bakyung.com/tank/mt-tb.cgi/1511

コメント(2)

熊鷹 :

園内では、このしだれ桜が母の一番の好みだったのを思い出します。

さて、お秋さんの家の菓子店ですが、場所こそ三田に移ってはいますが、今に続いています。
http://www.o-sakaya.com/

やまだ Author Profile Page:

熊鷹さん、こんにちは。
秋色桜は枝振りにそこはかとない品がありますね。
三田は仕事で、月に一度歩くのですが、秋色庵大坂家はまったく知りませんでした。最中が美味しそうですね、今度買ってみます。

コメントする

このブログ記事について

このページは、やまだが2008年4月 7日 22:08に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「boutique caikot*11 〜終わりは始まり〜」です。

次のブログ記事は「桜の雫」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

Powered by Movable Type 4.1